株式会社のメリット

1.個人事業に比べて節税しやすい。

法人には給与所得控除があるのに対し、個人事業には給与所得控除がありません。どういうことかと言うと、

(法人の場合)事業の儲けから取締役(社長など)の給料を引いた「残額」に税金がかかります。
(個人事業の場合)事業の儲け「全額」に税金がかかります。

もともとの儲けが少ない場合は別ですが、ある程度儲けがあると(意外と少額です)法人の方が格段にお得になります。

2.お客様や取引先、就職希望者のイメージが良い。

個人事業では信用できる営業を行っているのかなかなかわかりません。ひどいものになると個人事業主とフリーターはたいして変わらないと思っている人もいます。

また、最近増えてきた合同会社も知名度で言えばまだまだ株式会社に遠く及びません。学生の中でももちろん、銀行の職員でも合同会社という言葉を知らない方もいます。

それに対し、株式会社という言葉自体は子どもや学生も含めて多くの方が聞いたことのある言葉です。株式会社というだけで「公の取引を行っても問題のない会社なんだな」というイメージがつきます。


3.信頼性が高まり、銀行融資などの資金調達がしやすい

株式会社ということは法務局に登記を行い、役員の住所や資本金など一定の情報を公開しています。

また、株式会社を設立するにはそれなりに手間や費用もかかりますし、決算や解散について公告も必要です。

株式会社の設立・運営には代表者や役員が手間・時間・費用をかけることが要求されます。

反面、個人事業は書類1枚で開業し、翌日には解散することもできます。解散には書類を出す必要もないので、実際に営業しているのかしていないのかわからない個人事業も多数存在します。

銀行などの融資元は審査の際、こうした代表者の事業にかける「熱意」を意外にも重視しています。

書類1枚で始められる個人事業主の「気持ち」と、設立・運営に手間・時間・費用が必要な株式会社の「熱意」

どちらが融資に有利かご想像できますね。

4.決算事業年度を自由に決めることができる。

個人事業の事業年度は毎年1月1日~12月31日と決められています。どの個人事業でも、だれの個人事業でも変わりません。

それに対し、株式会社の事業年度は自由に決めることができます。

事業年度が終了すると2ヶ月以内に法人税の申告をしなければなりません(個人事業主は確定申告)。

事業の繁忙期と決算申告の時期が重なったらどうなるでしょうか。

株式会社にするとこのようなことも避けることができます。

当事務所では他にも法人税がお得になる事業年度の決め方をアドバイスしています。


5.法人口座を開設できる。

最近は振り込め詐欺などの犯罪のために使われる口座をなくそうと銀行も努力しています。

そのため、善良な市民からしてみたら逆に口座開設に手間がかかるようになってしまいました。

さて、次の3つの銀行口座名のうち、「お客様・取引先にとって」良い口座名はどれでしょう。

A.ユキマサ商店 山田行政
B.ユキマサ株式会社 山田行政
C.ユキマサ株式会社

個人事業(自営業)の場合、ほとんどの銀行で屋号だけの銀行口座名はつけられません。

その点株式会社であれば商号だけの口座名もつけられますし、商号と代表者名を合わせた口座名もつけられます。

しかし、株式会社は長く存在し、途中代表者の交代もあり得るもの。

長いお付き合いの中で代表者が変わるたびに口座名が変わるのは、一見さんのお客様ならともかく取引先としては不便なもの。

代表者が変わるたび取引先に新しい口座名を伝えるのはこちらもとしても面倒ですね。

株式会社は商号だけの銀行口座名で口座を作ることができます。


株式会社デメリット

1.株式会社の設立・登記費用がかかる。

株式会社設立の手順の中で「定款認証」と「登記」というステップがあります。

定款認証とは、会社のルールである定款を作成し、公証役場で公証人という役人に認証してもらう作業です。この際公証役場で支払う手数料は5万円となっています。

登記とは、会社を設立した手順が法律にのっとった正しい手順だったことを確認し、会社設立を認めてもらう作業です。イメージとしては会社の出生届を出すようなものです。この際かかる税金(登録免許税)は、払込資本金の0.7%と決められています。ただし、株式会社の場合は最低金額が15万円となっています。

その他、取締役の住民票や印鑑証明の取得費用(郵便代や交通費も含めて)、法人印や代表取締役印など印鑑の作成費用など細々した費用がかかります。

また、設立手続きを行政書士等の士業に依頼した場合、その報酬も別途必要となります(5万~15万円程度)。


2.帳簿をしっかり付ける必要がある。

現金出納帳・預金出納帳・売掛金台帳・買掛金台帳その他いろいろ作成し備え付けなければなりません。


3.交際費を経費に入れるのに限度額がある。

(個人事業の場合)

個人事業では、接待のための飲食代・香典・お祝い金・見舞金・お土産等の交際費は限度額がなく全額経費となります。

(株式会社の場合)

資本金額に応じ、次の金額が交際費では経費に入れられません。
A.期末資本金 1億円以下
400万円までの交際費 10%が経費に入りません。
400万円超の交際費 全額経費に入りません。
B.期末資本金 1億円超 全額経費に入りません。


4.会社が赤字でも税金がかかる。

(個人事業の場合)

1年の期間が過ぎ確定申告をした結果、業績がよくなかった場合には税金はかかりません。

(株式会社の場合)

赤字でも最低限年間7万円(都道府県民税5万円+市民税2万円)の税金がかかります。